朝比奈みくるちゃんは最高です――2016年に観る『涼宮ハルヒの消失』
12月18日。
この日は涼宮ハルヒファンにとっては特別な世界改変の日ということで、
公開年を見てびっくり。もう6年前の映画になるんですね。
あまりの月日の早さに劇中のみくるちゃんの台詞が反芻されました。
「きっと、いつかあなたもこの高校生活を懐かしく思う時が来ます。
終わってしまえば何もかもあっという間だった。
夢のように過ぎてしまった。そんな風に思う時が......」
『消失』を観に行った当時23歳の私は、付き合ってた彼氏にフラれ、
就職した会社はブラック企業で激務に追われ、心身疲弊のボロ雑巾状態で、
『消失』は私にとって間違いなく傑作映画であると同時に、
一番カッコ悪かった自分をフラッシュバックしてしまう、黒歴史想起映画でもあるのです。
ああ、あの時の自分本当にダサすぎて思い出したくない!!
そして久しぶりに観る『消失』。
消失長門が相変わらずカワイイとか、
ジョン・スミスをカミングアウトするシーンは鳥肌モノだとか
心に触れるダイジェストはたくさんあるのですが、
29歳の今『消失』を観て一番発見だったことは、
23歳の初見時はキョンに感情移入していたのに、
今ではみくるちゃんにかなり感情移入していたことでした。
泣いてばかりいたみくるちゃんが窮地のキョンを助けるまでの大人に成長したこと、
それまでに重ねた努力、経験したであろう出会いと別れを想像すると、
「ここまで来るのに結構頑張ったんだから!」という
サラッとした台詞に込められたみくるちゃんの今までに想いを馳せてしまい、
どうしても泣けてしまいます。
たしか原作本では
高校生のみくるちゃんが指示をもらっている未来の上司は
実は成長した大人版みくるちゃんなのではないかと示唆されていたと思うのですが、
これが本当だとしたらみくるちゃんは仲間のみならず
未熟だった過去の自分自身をも導く存在でもあるわけです。
朝比奈みくるというキャラクターは、
「成長した未来の自分は、弱かった過去の自分の助けになる」ということを
頭でしっかり理解して経験として蓄積しているのだと思います。
ドジっ子だった女の子が力をつけて立派な管理職に成長して、
困っている仲間と過去の自分を、今の自分自身の力で助ける。
(それもタイムトラベルというスーパー能力で)
同じ女性としてすごく憧れる姿だなって、
23歳の時にはわからなかったみくるちゃんの魅力に熱が上がってしまったのです。
みくるちゃんサイコー!!
ボロ雑巾だったあの時も、みくるちゃんの言う通り、
「終わってしまえば何もかもあっという間だった」出来事で、
この台詞を実感するようになったくらいには自分も大人になれたのかなと、
そんなことを考えていました。
また今年はアニメ化10周年のメモリアルイヤーですが、
ハルヒの新刊は未だに発表されず、
「あぁ......本当にアニメ化から10年が経ってしまったんだな......」と
寂しさを感じずにはいられません。
このまま涼宮ハルヒシリーズが本当に「消失」してしまうんじゃないか、
それだけが本当に心配です。
世界を大いに盛り上げてくれた涼宮ハルヒを、もう一度見たい。
何年かかっても、また世界を大いに盛り上げてくれ!!と、
涼宮ハルヒシリーズのこれからに願いをこめて。